【Adobe illustrator】メトリクス オプティカルどっちが正解?
![](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/02/kerning_TOP.jpg?resize=1120%2C630&ssl=1)
長年グラフィックデザイナーやディレクターとしてお仕事をしていると、
「あれれ?これで正解だよね?合ってるかな?」と自信がない事や、
ふと疑問が湧くことが度々あります。
ベテランデザイナーさんや独学のデザイナーさんが
今さら会社では聞きにくい
「デザインに関する疑問や悩み」をこっそり解決
するために色んな機能をご紹介しています。
1回目は
カーニング(文字詰め)のやり方のご紹介です。
メトリクスとオプティカル、どちらを選ぶべきか
を解説します。
![ちょびとみい](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/02/fukidasshi24363319.png?resize=72%2C72&ssl=1)
項目 | 評価 |
---|---|
対象者 | 初心者/ベテラン |
難易度(※難易度は著者の主観です) |
気になる箇所だけ見ることもできます。
目次から、気になる箇所をクリックまたはタップしてください。
![](https://i0.wp.com/www10.a8.net/0.gif?resize=1%2C1&ssl=1)
日本語書体は(基本的に)メトリクス
まず先に結論からいうと、
日本語のOTF(オープンタイプフォント)=文字詰め情報が搭載された書体は、
「プロポーショナルメトリクスとメトリクスのダブル使い」がオススメです。
了解! じゃあメトリクスを選んでおけばいいのね。これで話は終わったわ。
![子猫](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/02/1367067-1.jpg?resize=72%2C72&ssl=1)
待って!そんなに単純な話ではないのよ。
和文フォントなのに、メトリクスよりオプティカルのほうが
良いフォントもあるのよ。
![ちょびとみい](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/02/fukidasshi24363319.png?resize=72%2C72&ssl=1)
ただし、和文フォントでも文字詰め情報のないフォントは、
オプティカルでカーニングします。
フォントによって使い分ける必要があるため、
それぞれの違いをきちんと把握する必要があります。
それではメトリクスとオプティカル、
和文等幅の違いを具体例でみていきましょう♪
カーニング=文字詰めの設定方法
タイトルや見出し等の短い文章は、
一文字づつ手動で文字間を調整(カーニング=文字詰め)すると思います。
逆に長い文章を文字詰めするときに便利なのが、
illustratorの文字パネルにある
メトリクス
オプティカル
和文等幅
という3種類のカーニング設定です。
カーニングは3種類
Adobe illustratorは、
文字パネルの中にカーニング設定があります。
文字パネルは、ウィンドウ>書式>文字/段落から表示させます(または⌘+T、⌥+⌘+T)。
![](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/05/kerning1_n-1.jpg?resize=1120%2C626&ssl=1)
この3つの違いを解説していきます。
ややこしい、メトリクスとオプティカルの違い
そもそもメトリクスとオプティカルって何?
![子猫](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/02/1367067-1.jpg?resize=72%2C72&ssl=1)
- メトリクス(Metrics):
- 文字の基本的な間隔や位置調整を、
フォント自体が持っている情報に基づいて行います。 - フォントデザイナーが設定した
文字間隔や行間隔などをそのまま反映します。 - テキストのレイアウトが比較的一貫しており、
特定のフォントや文字サイズに対して適切な間隔を確保します。
- 文字の基本的な間隔や位置調整を、
- オプティカル(Optical):
- 文字の視覚的なバランスや見た目を重視して、
間隔や位置を調整します。 - テキストのレイアウトやフォントの形状に応じて、
見た目上の調整が行われます。 - 文字間隔や行間隔などが
フォントのデザインに応じて微調整されます。
- 文字の視覚的なバランスや見た目を重視して、
・メトリクスは、
フォントデザイナーが指定した詰め情報を元に詰める
・オプティカルは、
詰め情報のないフォントをAdobe Illustratorが
文字のデザインを元に詰める
それぞれの違いを知ると、悩まずに使い分けられるね。
![ちょびとみい](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/02/fukidasshi24363319.png?resize=72%2C72&ssl=1)
まずはOpen Typeパネルをチェックしよう
OTF(オープンタイプフォント)は
まず、OpenTypeパネルを先にチェックしてください。
プロポーショナルメトリクスにチェックが入れられるかを、確かめてみましょう。
![](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/05/kerning2_n-4.jpg?resize=1024%2C572&ssl=1)
プロポーショナルメトリクスとは、
フォントの情報に基づいて自動に文字詰めすることです。
フォント制作者が一文字づつ設定した、最適な文字詰めができるのです。
プロポーショナルメトリクスにチェックを入れたら、
次に文字パネルに戻りカーニングの設定をします。
文字詰め情報が入っていないフォント
(OpenTypeではないフォントや、フリーフォントなど)の場合は、
プロポーショナルメトリクスにチェックを入れられなくなっています。
プロポーショナルメトリクスとメトリクスを併用しよう
![](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/05/kerning3_n-6.jpg?resize=1024%2C572&ssl=1)
上の見本を見てわかるように
プロポーショナルメトリクス設定をONにするだけで、
ある程度文字詰めしてくれます。
ある程度と書いたのは、とカタカナの詰めが甘いですよね。
その理由は、プロポーショナルメトリクスは
フォントの情報に基づいてカーニングをしますが、
隣合わせのフォント(この見本の場合はカーニングの文字の並び)は
考慮していないからなんです。
「ン」と「グ」の間などは
顕著に詰めの甘さが出ています。
プロポーショナルメトリクスで随分詰まったね。
でも「ン」と「グ」の間などのカタカナは空きがばらついているね。
![子猫](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/02/1367067-1.jpg?resize=72%2C72&ssl=1)
そのため、ペアカーニングができるメトリクスで、
更に詰めていく必要があります。
プロポーショナルメトリクスのみのカーニングと
メトリクスを併用した場合の比較をしてみましょう。
![](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/05/kerning4_n-5.jpg?resize=1024%2C572&ssl=1)
見本のように併用したほうが少しだけ詰まっています。
気になっていた棒引きの左右と、「ニング」の部分が、少し詰まりました。
順番は、プロポーショナルメトリクス → メトリクス
もっと「ン」と「グ」の間の空きを詰めたい場合は、手動で行います。
詰めたい2つの文字を選択し、数値を入れてカーニングします。
または、
詰めたい文字の前に(この場合は「グ」の前)カーソルを置き、
Option+←キーで詰めることもできます。
![](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/05/kerning5_n-1.jpg?resize=1024%2C761&ssl=1)
基本的に文字詰めは文字の右側を詰めますが、
プロポーショナルメトリクスの設定がONになっていないと、
後から1文字ずつ文字間の調整をするときに
意図しない挙動をしてとてもやりにくいです。
折角詰めたのに、1回戻ったりするんだよね。
![子猫](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/02/1367067-1.jpg?resize=72%2C72&ssl=1)
これは厄介なので、プロポーショナルメトリクスONの後に
1文字づつカーニングしてください。
だから順番が大事なのよ。
OTF日本語書体は
プロポーショナルメトリクスを先にチェックしてから、文字詰めしてね。
![ちょびとみい](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/02/fukidasshi24363319.png?resize=72%2C72&ssl=1)
オプティカルはいつ使うの?和文等幅は?
続いて、オプティカルです。
オプティカルを使うフォントは、
プロポーショナルメトリクスの設定をONにできないフォント
(OTFではないフォントや欧文フォント、フリーフォントなど)のときです。
こういうフォントは、
メトリクスでは詰められないのでオプティカルで詰めましょう。
文字の詰め情報がないフォントなので、視覚的に詰めていくしかないのです。
ソフト(Adobe illustrator)が
フォントのデザインを基準に文字詰めをします。
![](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/05/kerning6_n-3.jpg?resize=1024%2C761&ssl=1)
ホントだ!
はんなり明朝は日本語なのに、メトリクスでは全然詰めができてない。
オプティカルのほうが詰まっているね。
![子猫](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/02/1367067-1.jpg?resize=72%2C72&ssl=1)
最後に和文等幅
和文等幅は文字の通り、等幅に文字詰めします。
本文等の長い文章よりは、
ポスターなどのタイトルに多用されます。
![](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/05/kerning7_n-1.jpg?resize=1024%2C761&ssl=1)
2行のタイトルとか、文字列を揃えたいときに便利だね!
![子猫](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/02/1367067-1.jpg?resize=72%2C72&ssl=1)
グリットデザインとかにも和文等幅は使えるので、
この詰めが好きな人もたくさんいるよ。
![ちょびとみい](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/02/fukidasshi24363319.png?resize=72%2C72&ssl=1)
カーニング(文字詰め)の有無の違いはかなり大きい!
最後に伝えたいのは、、、
カーニング(文字詰め)をしないととても目立つし、
手抜きに見えてデザインが台無しになってしまいます。
必ずカーニングしましょう!
![](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/06/before-kerning_n.jpg?resize=1024%2C623&ssl=1)
カーニングなしは空きがバラバラ・・・。詰めると1文字分も変わるんだね。
![子猫](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/02/1367067-1.jpg?resize=72%2C72&ssl=1)
空きがバラバラだと、手抜き感が出るよね。
![ちょびとみい](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/02/fukidasshi24363319.png?resize=72%2C72&ssl=1)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
日本語フォント
・まずはプロポーショナルメトリクスの設定をする
・プロポーショナルメトリクスがONのときはメトリクス
OFFのときはオプティカルに設定をする
欧文フォント
基本的にオプティカルで詰める
と覚えるのがオススメです!
そのうえで
更に手動で1文字つづ調整をしてください!
カーニングはデザインの基礎中の基礎。
文字詰めをしていないと
デザイナーとして信用を失い兼ねません、、、(T_T)
文字詰めは、
どちらかというとクライアントには気づかれずに、
ディレクターに指摘されちゃうんだよね。
![ちょびとみい](https://i0.wp.com/goldenchobi.com/wp-content/uploads/2024/02/fukidasshi24363319.png?resize=72%2C72&ssl=1)
カーニングを覚えて、
きれいな文字組でデザインしましょう!
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